『レヴィナス入門』読書会(全3回)開催のお知らせ

講師のいりやさんより、選書理由と今回の読書会についてのコメント
熊野純彦『レヴィナス入門』は、1999年出版の著作で、現在のレヴィナス研究の水準からみたときにやや解釈が古いものです。しかし、レヴィナスの新書の入門書としては珍しく、『全体性と無限』(1961)以外のレヴィナスの主著(『実存から実存者へ』[1947]と『存在の彼方へ』[1974])を扱っている点で、レヴィナスの哲学、思想の全体像への入門としてよい著作です。
今回の読書会では、この『レヴィナス入門』を課題図書とし、僕のレヴィナス解釈を熊野解釈と対照しながら、前期、中期、後期(計三回)にレヴィナスの思索を分けて講義をしたいと思います。ただ、講義はおまけのようなもので、参加者の方々の疑問、質問にお答えしつつ、なるべくディスカッション形式で進めたいと思っています。レヴィナスという名前を聞いたことがあるけどどんな人か分からないという方も、「他者」や「顔」を論じたと言われているけれど、その内実はよく知らないという方も、レヴィナスの著作を直接読んでいるけど細かいところが分からないという方も、レヴィナスで何か書きたいけど、どうレヴィナスを研究すればよいか迷っている方も、あるいはレヴィナスを批判的に扱いたいという方も、(またこうした羅列に当てはまらない方も)大歓迎です。レヴィナスにまつわるどんなことでも、ご質問頂ければ幸いです。
レヴィナスの思索は、それぞれの仕方で生きている皆さんの日々の生活の言葉にならない蠢(うごめ)きを、言葉にしてくれる可能性を持っていると僕は思っています。なので、哲学や思想とは自分は縁遠いと感じられていても、レヴィナスの言葉に、よい意味でも、悪い意味でも、ひかれる何かを感じ取られたなら、お気軽にこの読書会にご参加ください。皆様とお会いできるのを、楽しみにしております。(いりや/古怒田望人)
読書会について
内容:熊野純彦著『レヴィナス入門』(ちくま新書)の読書会です。レヴィナスに興味のある方なら誰でも参加できます。予備知識は不問です。1回目は第Ⅰ部・原型、2回目は第Ⅱ部・展開、3回目は第Ⅲ部・転回を範囲とし全3回となります。講師の解説をはさみながら、参加者の方との相互的な意見交換で進めていきます。テキストを各自でご準備頂き各回の範囲をお読みの上ご参加ください。テキストを読む中で感じたことであれば何でもご意見としてお話しして頂ければと思います。
テキスト:熊野純彦『レヴィナス入門』(ちくま新書)221ページ・880円
定員:各回15人
今回初めて定員を設けています。
その代わりなるべく多くの方に参加してもらえるよう、2回ずつ開催します。
開催日程(A日程とB日程の各回は対話を除いて基本的には同じ内容です)
第1回:第Ⅰ部 原型_ じぶん自身を振りほどくことができない
範囲:はじめから82ページまで
A日程 2022年6月11日(土)17~19時半
B日程 2022年6月19日(日)17~19時半
第2回:第Ⅱ部 展開_〈他者〉を迎え入れることはできるのか
範囲:83ページから148ページまで
A日程 2022年7月9日(土)17~19時半
B日程 2022年7月17日(日)17~19時半
第3回:第Ⅲ部 転回_他者にたいして無関心であることができない
範囲:149ページから最後まで
A日程 2022年8月20日(土)17~19時半
B日程 2022年8月28日(日)17~19時半
イベント概要
場所:オンライン(ZOOMミーティングルーム)
参加費:全3回分3500円 ※A日程・B日程いずれかを選んでください。
各回1500円 ※ご希望の参加日をコメントでお伝えください
同じ回であれば日程振替も可能です。例えば、1回目と3回目はA日程で2回目はB日程でも大丈夫です。参加できそうな回が多い方でお申込みください。事前にわかっている場合はコメント欄に記入してください。
返金・キャンセルについて:当日やむを得ず参加できない方には返金を致します。欠席がわかった時点でご連絡ください。全3回でお申込み頂いた方の場合は各日程の3回目終了後に参加できた分1回当たり1200円を差し引いた金額を指定の口座にご返金します。
資料について:課題本とは別途で講師が解説を記載したレジュメをお送りしています。開催日の一週間前にHPから閲覧できるようにします。資料が届かない場合はご連絡ください。※資料リンクが入ったメールが迷惑メールフォルダに振り分けられることがあるようです。。
参加お申込み方法:参加するをクリックするとストアページに移動します。ストアページから参加費のお手続きを頂いた方に、ZOOMミーティングルームをお送りします。
当日の参加方法:お送りしたZOOMミーティングルームをクリックしてご入室ください。開始5分前から入室できます。背景や表示名の設定は各自でお願いします。当日お時間になりましたらご入室ください。
ZOOMでの顔出し、表示名は任意です。(お呼びかけしやすい簡易な表示名だとありがたいです)配慮が必要な方やZOOMの使い方に不安がある方は遠慮なくご連絡ください。
読書会の様子は録画保存しません。また、アーカイブ動画の配信は行っておりません。
その他:事前に運営もしくは講師に質問がある方はお問合せフォームかメールからお気軽にお尋ねください。E-mail:info@machidamucha.com
講師のいりや/古怒田望人さんについて

大阪大学大学院人間科学研究科現代思想博士後期課程
現代思想、特にエマニュエル・レヴィナスとウラジミール・ジャンケレヴィッチの研究を行っております。目下の課題はレヴィナスの性の記述の規範性を引き受けつつ、その記述のジェンダー、セクシュアリティ研究における応用可能性を模索することです。
また哲学とトランスジェンダー研究、クィア研究を、現象学を介して、哲学と架橋するトランスジェンダー現象学、批判的現象学の試みを行っております。具体的には、トランスジェンダー、曖昧なジェンダーにおけるセクシュアリティ、性愛と自己形成がテーマです。(リサーチマップより抜粋)
最近のお仕事
・『フェミニスト現象学 経験から「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版)にてコラム執筆
・現代思想11月号('20)反出生主義を考える 寄稿:トランスジェンダーの未来=ユートピア 生殖規範そして「未来」の否定に抗して
・現代思想11月号(’21)ルッキズム 寄稿:ままならない交差点ージェンダークィアのボクが生きてきたこの身体について
・『Limitorophe』(東京都立大学・西山雄二研究室紀要)第一号、特集カトリーヌ・マラブーに寄稿「『抹消された快楽』において抹消されるトランスの快楽」
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《過去執筆記事》 トランスジェンダーが出会う、社会的な死
『新潮45』問題から東京五輪後のLGBT運動を想像する
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